その学園の片隅には、桜が植えられていた。
校舎の裏、まるで隠されるように、ポツンと一本だけ植えられた桜。
それは「叶えの桜」と呼ばれていた。
普段は咲くことがないが、この桜に願い事をすると願いが叶い、
そして願いが叶った証として花をつける、とまことしやかに囁かれている、奇妙な桜。
その年、桜は咲いた。しかし、誰もそれを見ていない。
しかし、君達には奇妙な確信があるのだ。
――確かに桜は咲いたのだ、という奇妙な確信が。
そしてその瞬間、あなたの記憶に、何かの空白が生まれた。
その学園の片隅には、桜が植えられていた。
校舎の裏、まるで隠されるように、ポツンと一本だけ植えられた桜。
それは「叶えの桜」と呼ばれていた。
普段は咲くことがないが、この桜に願い事をすると願いが叶い、
そして願いが叶った証として花をつける、とまことしやかに囁かれている、奇妙な桜。
その年、桜は咲いた。しかし、誰もそれを見ていない。
しかし、君達には奇妙な確信があるのだ。
――確かに桜は咲いたのだ、という奇妙な確信が。
そしてその瞬間、あなたの記憶に、何かの空白が生まれた。